
【カフカス】ジョージアの首都トビリシを巡る旅【元グルジア】
日本人にはあまり馴染みのない国を巡る旅 第1弾
メジャーな観光地や有名都市の情報は溢れんばかりにネットに存在しますが、日本人にとって馴染みのない国の情報になると途端に出てこなくなります。
世の中には稀に「マイナー」なものに惹かれる「マイノリティー」が存在するため(筆者)、マイナー地域や旧社会主義国を旅することが大好きな筆者が周った「マイナー都市」の情報を少しでも提供できればと、シリーズ化を考えています。(笑)
第一弾として「ジョージア」の首都、トビリシについてご紹介していきます。
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【本記事の内容】 目次
ジョージアについて
ジョージアという国について。
私が子供のころに社会科で習った地域名は「コーカサス地方」だったのですが、今ではコーカサスであったりカフカスと呼ばれたりする地域「南コーカサス地方」にある3つの国の内の1つ、ジョージアについてご紹介します。
私はこの国になぜか4回入国しています。 とはいえすべてが観光目的であるため滞在時間は短いのですが、逆に観光目的でこの国に4回とは、何か縁でもあるのかと。
最初に訪れたのは2002年の12月の寒い時期で、首都にも雪がちらほら降る暗い時期にさらに輪をかけたような暗い都市というのが第1印象でした。 当時はまだ「グルジア」と呼ばれており、首都トビリシでも夜はほとんどが停電しているという「戦後」状態でした。
有名な安宿(ホテル)はアブハジア難民に占領され、まともなホテル(安宿)などない都市での旅行は苦労の連続でした。
2002年12月のトビリシの占領されているビルがイベリアホテル
そんなトビリシも数年前に訪問した時に、劇的とまでは言えませんが、良い感じに変貌しており、旅行もしやすくなっていたのでお勧めさせていただきます。 とはいえ「情勢不安」は拭えませんが。
ジョージア(旧グルジア)は2015年に日本政府がジョージアと呼び方を変更しています。
首都はトビリシで、落ち着いた感のある東ヨーロッパ風の街になります。
有名人ではソビエトの指導者であった「スターリン」の出身国で、特産物は「ワイン」、また独自の文字も存在します。
とても興味深い国だといえます。 ※ジョージアはワイン発祥の地でもあります。
面積は日本の5分の1程度で、そのほとんどが山岳地帯となります。 人口は約400万人弱で人種もグルジア人を始め、近隣のアゼルバイジャン人、アルメニア人、それに加えその他(アブハズ人、オセット人、ユダヤ人、ギリシア人等(2.5%)ほどが暮らしています。
宗教はほとんどがキリスト教の正教系(ジョージア正教、ロシア正教)83.8%、イスラム教(スンニ派)9.9%、 アルメニア使徒教会3.9% 、カトリック 0.8%とその他無宗教とのことです。 出典:ジョージアなび
基本情報
電圧:220 V/50 Hz
国番号:+995
インターネットコード:GE
通貨:ラリ(lari GEL) 1ラリ=100テトゥリ(Tetri)
公用語:グルジア語、ロシア語も通じるところが多いです。
グルジア文字の看板
政治的には北部ロシアとの国境付近の民族問題を抱えており、不安定な部分は否めません。 少し前にもドイツ国内でロシア人によるグルジアの有名軍人が暗殺されたそうです。
首都トビリシを短期観光する分にはさほど問題はないと思われますが、旅行の際は日本政府が発信する情報を入手して判断する必要があるでしょう。
首都トビリシ観光
今回は首都トビリシに限った観光情報をご紹介したいと思います。
トビリシの見どころ
ジョージアはキリスト教(グルジア正教)を信仰する国ゆえに、歴史ある教会が多数存在します。
ジョージア、トビリシを観光するうえで外せないのが「教会巡り」になります。
トビリシ中心地に固まっているため、見て歩くにはさほど時間はかからないはずです。
2002年撮影の画像の悪い ノラシェン教会
2015年撮影の ノラシェン教会
微妙な違いくらいですね。
市内中心部にある教会とナリカラ要塞の夜景
教会は市内の至る所に存在し、だれでも入ることができるのがとても嬉しい。
市内散策
自由広場
観光案内所 観光案内所前にある「ワインを飲む人の像」
トビリシ博物館の近くの路上にある可愛い像。グルジアで出土した紀元前7世紀の「ワインを飲む人」のレプリカ。
平和橋 Peace Bridge
市内を流れるクラ川にかかる歩行者用の洒落た橋。 この写真の手前側にレストラン街があります。
旧市街 Old Tbilisi
ソロラキの丘の上から眺める旧市街
その他の見どころ
グルジアの母像、グルジア国立美術館、グルジア国立博物館、トビリシ歴史博物館、ナリカラ要塞、クラ川等など。
クラ川はトルコからジョージア、アゼルバイジャンを経由してカスピ海に流れる川。 この川に沿ってシルクロードが続いたため、川に沿って街が栄えたのだそうです。
グルジアの母像 ソロラキの丘の上に立つトビリシのシンボル
なぜかこの角度からしか写真を撮っていませんでしたが、グルジアの母の右手には剣、左手にはワインの盃を持っています。
敵が来れば剣で戦う誇りをもち、友が来ればワインで歓迎するというシンボル的な意味があるのだそうです。 デカい!
温泉 ハマム
温泉好きにはたまらない公衆浴場(ハマム)
トビリシの旧市街の一角に固まるハマム街
特にここがおすすめというところはないが、私が通っていた銭湯は、とても安いところで、気に入って通っていました。
ジョージアに限ったことではないのですが、私が泊まる安宿には基本シャワーしかなく、とても清潔とは言えない環境が多いため、このような温泉の公衆浴場はとてもありがたい。
また、その国の見えない「文化」も垣間見ることができるため、トビリシに行かれた際は是非試してみてください。
相方(嫁)が言うには、浴場内ではとても親切に皆さんがしてくれるそうです。 男湯は慣れるのに時間がかかりましたが(笑)
じっくり観察されます。 なれると片言の英語で話しかけてくる人も居るので、楽しい時間を過ごすことができます。
特に我々が行った冬場は言うことなしで、心も体も温めてくれた硫黄泉でした。 湯上りは「ワイン」で!
これはごく一部のハマム。 この周辺だけでもたくさんの銭湯があります。 まさに温泉街ですね。
私たちが通ったハマムがこちら
この住所をたどればこのハマムに着けるかと思います。 とにかく安くて怪しいながらも温泉を楽しめる憩いの場でした。
トビリシ訪問の際は是非是非行ってみてください。 怖いことはありませんから!!
交通事情と移動手段
トビリシでの移動手段について。
トビリシも他のソビエト連邦の国同様地下鉄が発達しています。 市内を観光するにあたってはとても便利なので、私たちはほぼ地下鉄のみで観光生活を送っていました。
バス、タクシーなどもありますが、地下鉄のみで十分事足りることでしょう。
トビリシの地下鉄
トビリシの地下鉄はICカードでの利用となります。 入り口の自動改札にカードをかざす方法になりますが、入場時だけで出口では必要ありません。 料金が一律のため。 我々は夫婦で1枚のカードで使用していました。
とにかく地下鉄は安いのでよく利用させていただきました。
旧ソビエトの国々の地下鉄は「核シェルター」に使うため深く掘り下げられているといわれていますが、本当に深い。 ジョージアはまだ浅いほうですが、それでも深い(笑)
トビリシ観光は地下鉄で十分周ることができるのでおススメです。 危険度も使ってみた感じでは高くないと判断します。 女性1人では怖いかもしれませんが。
旅行事情
宿泊
宿泊(安宿)に関して言えば、多くはありませんがそれなりに増えてきています。 トビリシ駅付近にもドミトリーを備えた安宿もありますし、地下鉄利用で郊外へ出れば快適な安宿も存在します。
ジョージアのトビリシの安宿は、なぜか「ワイン」が無料で振舞われており、お酒好きにはたまらないオプションが付いています。
今現在は分かりませんが、旅行当時は飲み過ぎて、翌日以降お酒が出てこなくなったこともありました(笑)
トビリシで迎えた「正教系のクリスマス」 1月7日
トビリシの中心部より離れた位置にある安宿にて。 食事とワインを振舞っていただきました。
ホステル(宿)の門
治安
首都トビリシに関して言えば、日中の時間帯であれば女性の一人歩きでも危険を感じることは少ないと思います。
路地裏や、明らかに怪しいところにさえ行かず、観光地を歩くだけであれば大丈夫ではないかと思われます。
夜も賑やかなところであれば、男1人、または複数人であれば問題は発生しないと思われます。
こんな街でも、情勢は不安定ですので「外務省 海外安全HP」を確認の上渡航してください。
北部のロシアとの国境地帯は危ない話も聞くことが多いので、行かないに越したことはありませんね。 私も気をつけます。
ジョージア、トビリシの街の風景
こういったところは夜の1人歩きはさすがに怖いですね。 感じの良い町並みではありますが。
物価
ジョージア 1ラリ 36.46 円 2019/09/27 現在
物価は変動するのであえて金額は書きませんが、電車賃はとても安く、利用価値「大」です。
食事も観光地のレストランを避ければ安く済ますことができますし、ワインやビールも安いので、商店で総菜などを買って部屋飲みするのも良いかもしれません。
安宿も1000円弱~沢山出回っていますね。 トリバゴ見てビックリです。
移動
トビリシ駅から各地へ鉄道が伸びていますが、おすすめなのは「マルシェルートカ」と呼ばれる乗り合いタクシーが便利。
料金は割高ではありますが、使い勝手は良く、現地にも早く到着することができます。
因みに、隣国のアルメニアの首都エレバンまでは頻発しており、料金は30ラリ程度だったと記憶しています。 変わっていたらごめんなさいですね。
また、我々はトビリシからドバイへ深夜の便で飛んだので、タクシーでの移動になりましたが、それも駅前から出ているので、移動前の宿泊は駅前の安宿が便利かと思います。
グルジアごはん
ジョージアの美味しい料理をご紹介します。
Kharcho :ハルチョー
ジョージアを代表するスープ料理のハルチョー。
ハルチョーは牛肉とお米が入ったスパイシーなスープで、グルジアに行った際には必ずいただいていました。
見たまま、本当に美味しいスープですよ!
ヒンカリ
ジョージアの小籠包ともいうべき「ヒンカリ」はまさに小籠包で肉汁たっぷりの絶品料理。
中身の味付けはスパイスも効いていて小籠包との違いもしっかりと感じさせてくれます。 やはり、これはビールが合いますね!
Khachapuri : ハチャプリ
ジョージアを代表する有名料理と言えばこの「ハチャプリ」と呼ばれるピザパン。
グルジア語でチーズパンの意を持つ伝統的なパンで、玉子とチーズとバターをのせたものが最もポピュラーで人気が高い。
ムツヴァディ(シャシリク): Mtsvadi / Shashlik
シャシリクと言った方が分かりやすいか、中央アジアやコーカサス地方の地区料理と言えばやはりこれ。
串に刺さったまま食べるのが一番うまいのですが、お上品に・・・。
その他、ロシア料理も楽しめます。
グリヴィ・ヴ・スミターニェ
ディルたっぷりサラダ
筆者はこのディルが乗ったサラダが大好きで、旧ソビエト圏に行く際は必ずいただく料理になります。
たまに日本でも見つけると、買ってサラダなどに入れて食べることがあるほどなのですが、高いのがネックですね。
こんなものもありますよ 2002年のグルジアマック
2014年のマック(ジョージア・バトゥミ)
ご当地マック@ジョージア
お酒はやはりワインが有名で安くて美味しいものが多いお国なので、ワイン好きには嬉しい街ではないでしょうか。 私はワインも好きなのですが、お酒はビールをいただくことが多いので、ジョージアに美味しいビールがあるかどうかが不安だったのですが、取り越し苦労でした。
一体いくつあるんだというくらいの銘柄の多さで、世界各国のビールラベルを集める身としては嬉しい限りなのですが、全部集められたのか不安になるほどの多さでした。 ワインを飲みたい相方にも手伝ってもらってしまいました。
市内中心部のワインストア
まとめ
初めて訪問したのが2002年の冬でしたが、それから10年以上たって驚いたのが「この国の発展」した姿でした。
お世辞にも2002年のこの国の状態では旅行をお勧めすることは無理なくらい荒んだ状態でした。 しかし、現在はインフラもしっかり整備され、旅行者を受け入れる体制も整ったといえるでしょう。 心から「行ってみてください」とおススメできるかと思います。
かといって行きやすい国ではないのですが、ヨーロッパや中東(ドバイやカタールなど)を経由していけば昔のような大変さもないと思いますので、たまには変わったところへ行ってみたいという方は、選択肢の1つに入れてみてはいかがでしょうか。
アルメニアなどを絡めても面白いと思いますよ!
お節介
宿の近くにあった空手道場
お留守だったので書置きを(笑)
2002年に入ったカフェの入り口の写真と2014年の写真
ほとんど変わってなくて嬉しくて泣きそうになりました(笑)
懐かしの安宿の情報ノート
ネットカフェ
こんなのばかりじゃありませんので! 因みに路上です。
最後に、昔の旧ソ連で走っていた車。 可愛いですよね、欲しい。
それでは、良い旅を!
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